Skip to content

クライアントインタビュー

   日本電気株式会社

日本電気株式会社「オンラインイベント」への取り組み

-営業・マーケティングのデジタルシフトに向けて- 

公開日:2022.12.14

DSC01806

NEC IMC統括部 マネージャー
内田 朝子 様
NEC IMC統括部 マーケティングプロフェッショナル
田中 将統 様
※記事内では敬称略


NEC様企業ロゴ

コロナ禍でいち早く大型オンラインイベントに取り組み、自社スタジオを構えるなど、先進的な取り組みを続ける日本電気株式会社(以下NEC)。
2022年9月〜10月に開催されたNEC Visionary Weekでは、XR(クロスリアリティ)を活用したセッションを行うなど、意欲的な取り組みを続けていらっしゃいます。本記事では、オンラインイベントに関するお取り組み背景から成果、実施する中で見えてきた今後の展望を伺いました。
※NEC社内スタジオにて取材させていただきました。

1、マーケティング施策の核となるオンラインイベント


ーお二人のミッションについて

<内田>
私たちが所属するIMC統括部は、マーケティングでNECの成長事業拡大への貢献に取り組んでいます。

様々なメディア・記事体広告・SNSなどを経て、オプトインするタイミングを作りお客様の顔が具体的に見える状態にします。
例えばオンラインイベントもその(オプトインするタイミング)一つです。

そこからオウンドメディアへの来訪、メールコミュニケーション、商材に関するセミナーへの参加などを通して、最終的にはインサイドセールスに結びつけていく活動をしています。

スライド1

※NEC様ご提供資料より抜粋 

ーオンラインイベントが果たす役割

<内田>
マーケティングの全体像の中で、大型の単独オンラインイベントはリード創出の役割を担っています。その後は、定常的なウェビナーに繋げていくなどの活動を通して確度の高いリードを営業部門に引き渡すことで商談への貢献を目指しています。

コロナ禍になってからは、営業部門が直接お客様との接点を持てない状態が続き、オンラインイベントが、デジタルマーケティングの中で核となってきました。

このようなマーケティングと営業活動のデジタルシフトに関する取り組みにおいて、課題を抽出して構造化し、その中から施策を導いて実際に活動を行っている点が評価され、NIKKEIのBtoBマーケティングアワード2021にて最優秀賞をいただきました。

※参考:NIKKEI BtoBマーケティングアワード2021受賞企業取材レポート
https://ps.nikkei.com/b2baward/winner2021/index.html#winner02
※参考:NECプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000078149.html

2、進化を求められる中での工夫とALPHABOAT XR STUDIOの活用


ーオンラインイベント取り組みのきっかけ

<内田>
元々は、2020年7月開催に向けて「iEXPO KANSAI」という大阪でのリアルイベントを企画していたのですが、コロナ禍で実現できなくなってしまって。「オンラインイベントで情報発信する」という方向で検討することになりました。

当時は、大規模なイベントをオンラインで実施した経験がなく、9月ぐらいに実施したいと担当役員であるCMOに伝えたら、「半年もNECとして情報発信をしないなんてありえない!」と言われまして(笑)。
4月〜6月の3ヶ月間で企画を考え、2020年の7月に初の大規模なオンラインイベントを開催しました。

このイベントで、従来の10倍以上の参加者数やターゲット層へのリーチ、VIPの方の来場など私たちが想定していた以上の成果があり、 オンラインイベントに急速にシフトしていきました。

スライド2

※NEC様ご提供資料より抜粋 

<内田>
7月のオンラインイベントの後、2020年11月には、毎年東京で開催していた単独展示会から新たなコンセプトのイベントとして「NEC Visionary Week」(12日間/グローバル)を開催しました。
その後、NEC Business Forumという新社長がメッセージを発信するというイベントと、去年の9月にNEC Visionary Weekの2回目を実施しています。

 

ー3度目の開催でさらなるビジネス貢献を目指した「NEC Visionary Week」

<内田>
「NEC Visionary Week」という名前なので元々はビジョンを発信するという意味合いが強かったイベントですが、今年はよりビジネスへの貢献、商談機会の創出を強化するという目標を設定し、プロジェクトを推進していきました。

これまでのNECのビジョンを訴求するセッションだけでなく、商材や具体的な事例を紹介するBusiness Trackを新たに追加して、42セッションを実施。また、トップ層とディスカッションを行うフォーラムや具体的なソリューションを体感いただく展示会など、招待制のお客様と対面でコミュニケーションを行える場も追加しました。

成果としては、集客数などの数値目標は達成することが出来ました。また、商談化についてはすでに受注への貢献も見えており、これから数か月かけて商談の状況を確認していく予定です。

DSC017851

 

ーALPHABOAT XR STUDIOの活用

<内田>
オンラインセミナーの企画を進める中で、先進性を示すための「顧客体験」について、社内の幹部や企画メンバーの中から、メタバースのような新しい体験など昨年とは違った演出方法がないか?というような意見が上がってきました。

お客様の会社での視聴環境に依存することなく先進性も訴求できるような演出はしたいと思っていたのですが、一方で、企画する立場としては、コンテンツで訴求すべき内容以上に演出のために大きな時間とコストを割くのは違うと考えていました。
XR STUDIOを紹介いただいて、最新の技術を使いながらビジネスコンテンツとして過剰な演出にならない“という目的を達成するツール”だと感じました。イベント全体を企画するチームや今回のキーノートを担当するメンバーと相談して、特に重要な初日のセッションにXR STUDIOを採用することにしました。

>>ALPHABOAT XR STUDIOとは? 

<田中>
視聴されたお客様からは「先進的なイメージが感じられた」ですとか、古くからNECを知っていただいているお客様からは「新しいNECを感じられた」といった、嬉しいご意見をいただきました。

また、登壇者の方からも「会場の空気感がしっかり伝わっていた」「オープニング映像も調整されていて話に入りやすかった」など、ALPHABOATのオペレーションや配信体制含め非常に好評でした。
今回はスタジオに加えてリモート接続での登壇者もいらっしゃったのですが、違和感なくモデレートできた点も良かったと思います。

NEC様当日の様子※当日の配信映像より 

<田中>
数値を見ますと、(XR STUDIOを活用した)セッション単体での申し込みで4800名ほどあり、全84セッションの中で一番お客様の集客数が多かったです。

もちろんテーマや登壇者の魅力が集客の大ききに影響していると思いますが、セッションの満足度も7割の方が「非常に満足」といったところで、全体の中でも高い数字がでていました。
今回のセッションは90分だったのですが、視聴維持率が8割と非常に長い時間見ていただいたというのが良かったポイントかと思います。

「先進的」というコメントは狙っていたものでもあったのですが、やはり演出に時間を割くのではなく、訴求すべき中身が一番大事という気持ちで進めていましたので、話の内容は邪魔しないで内容に集中いただきながら、さらに見た目は新鮮、というちょうどいいバランスになっていたのかと。
それがまた視聴維持率8割というところにもつながってきたのかなと思います。

DSC017672

3、コンテンツの質を高める社内体制構築


ーオンラインイベント・セミナー定常化プロジェクト

<内田>
一番初めのイベントiEXPO Digitalが終わったあとに「オンラインイベントやセミナーを定常的に行うための体制を作って欲しい」と言われて、自社にスタジオを設置しました。

最初は“オフィスを改装してちょっとつくりました”というものだったのですが、そのうちみんなの要求が高くなってきまして(笑)。
今年の4月に本格的な新スタジオも設置しました。

外向けのオンラインセミナーだけでなく、商談などコロナ禍で対面できなくなった際のプレゼンや社内の配信も結構増えて、常に何かしら配信が行われているようになっています。

プロジェクトとしてはスタジオを作ることが目的ではないので、NECグループとしてのガイドラインや運営のためのツールを整備したり、コロナ禍は相変わらず続いているのでスタジオの利用ガイドなどを作って体制を整えてきました。

スライド3

※NEC様ご提供資料より抜粋 

<内田>
今までは、各担当者が会議室を予約して都度機材を入れてと、数百万レベルで費用がかかっているイベントもありました。
スタジオを設置したことでのコストはもちろんですが、日々のイベント運用コストも下げることができました。

また、定常的なオンラインセミナーのプラットフォームの集約も進めています。今までは各事業部がそれぞれ配信をしてツールもバラバラでしたが、SaaS型イベント管理システムを導入して集約を進めています。
一つのプラットフォームでお客様がログインして視聴できるようになり、全社としての成果も可視化できました。

 

ー体制を整えたことで始まった新たな取り組み

<内田>
運用コストの低減だけではなく、イベントやセミナー開催のための各担当者の手間が省けるようになったため、イベントの企画やコンテンツの内容に時間をかけられるようになり、質の向上にもつながっているのかなと思っています。

またスタジオを作ったことによって、外部向けのセミナーだけでなく「社内向けの番組も作ろうか」と新しいコンテンツ制作の取り組みも始まりました。

4、今後の展望


ー営業のデジタルシフト〜顧客体験向上へ向けて

<内田>
オンラインイベントとしては、イベントプラットフォームの集約の促進、ウェビナーポータルの開設、データ活用などに重点を置いています。

また、ハイブリットになった時の顧客体験の描きかたですね。
リアルはリアルの良さ、オンラインはオンラインの良さがあって、それを融合するべきなのか別々で行うべきなのかという悩みもありますが、やはり毎年進化を求められているので、来年もどのような方向性にするのか検討する部分は多くあるかなと。

あとは、双方向のコミュニケーションをどうとっていくのかという部分ですね。
オンラインで、オフラインで得られる価値を取り込めるのか?それともお客様と直接対面していく場を増やしていくのか、などこれからまた考えていきたいです。

 

ー社内体制を整えたNECがパートナー企業へ求めるもの

<内田>
コンテンツの中の、どうすればよりお客様に届くのか?といったストーリーの組み立てを一緒にやりたいと思っています。

あとは当社だけでは、さまざまなツール・新しい情報を収集するのは限界があるなと感じています。(ALPHABOATには)XR STUDIOに限らず、常に先進のツールや演出などを紹介していただきたいなと思っています。

<田中>
演出のところも、XRなど新しい表現方法のポテンシャルはまだまだ引き出せると思っています。
他社事例などいろんな知見やアドバイスをいただきながら、より洗練されたセッション・セミナーを作っていけたらなと思っております。

<内田>
そうですね。ビジネスだからといって淡々と伝えたいことを伝えるのではなく、意外とワクワク感や楽しさみたいなものがないと、この人の話を聞いてみたいという気持ちが出てこないのかなと感じています。
NECが目指すところや、耳を傾ける価値があると思ってもらえる表現を大事にしたいですね。

DSC018013

ー ご協力ありがとうございました ー

ALPHABOATオンライン相談会

社内外イベント企画・運営、PR・ブランディング施策、SNS運用などお困りごとをお気軽にご相談ください。