Skip to content

クライアントインタビュー

   レノボ・ジャパン合同会社 

- 社員エンゲージメントの追求 -

レノボ・ジャパンキックオフイベントの進化と取り組み

公開日:2023.7.21

DSC00308

レノボ・ジャパン合同会社
マーケティング統括本部 メディア戦略&オペレーションズ 部長

趙 恩淳


LenovoLogo-POS-Red-H

毎年4月に全社員向けのキックオフを開催されているレノボ・ジャパン合同会社。
国内外に拠点を持つ同社では、年に1度開催される戦略共有のキックオフイベントは2,000名以上の社員エンゲージメントを高めるための重要な施策の一つです。
2023年のキックオフイベントは、4回目のオンライン実施となりました。オフライン回帰の要望も上がるなか、同社はより高い目標を掲げ、オンラインでの実施を決断されました。

本インタビューでは、2023年のイベント振り返りを軸に、毎年実施される中での工夫やコロナ禍による変化、今後の展望についてお伺いしました。

1、キックオフイベントの目的と重要性


ー本イベントの概要・目的について教えてください。

レノボ・ジャパンでは、4月に新しい期を迎えるため、毎年全社を集めてその年の戦略発表を実施しています。

もともと様々な会社を買収してできている会社であること、且つ、レノボとNECという大きい組織の合併もありました。そのため、こういった機会がないと「One Lenovo」としてどこに向かっていくのかを知ることがなかなか難しいです。
それを伝えるため、また社員一同「One Lenovo」の意識を高めるためにも、毎年このタイミングで全社での戦略発表を行い社員のモチベーションを上げるという意図で開催しています。

ー今年は完全オンラインでしたが、何回目のオンライン開催でしたか?

コロナになる前までは、オフラインで会場を借りて実施していました。
コロナ後はずっとオンラインで実施しておりまして、今年で4年目のオンライン開催となりました。

レノボ_事例7XRを活用した特別ステージ

ありがとうございます。それではオンライン開催に慣れてきた中で今年の開催だったと思います。開催の準備を行う中で、今年特に気を付けていた点や苦労された点はありますか?

2つあります。
今回コロナも落ち着いてきて、オンライン実施かオフライン実施かという話はやはり議論になりました。「face to faceで実施する利点があるよね」「久々に人と人で直接会いたい」等の意見がある中でのオンライン開催でした。
そのため、オフラインと同じようなエンゲージメントや、オンラインだからこそもっとできることはないか?という部分を今回かなりチャレンジしています。
そういった“新しい取り組みをきちんとオンラインで表現できるか”というのが気を付けていた点の1つです。

2つ目は、社内の普段接しない様々な部署との関わり方に気をつけていました。
社内イベントのため、経営メンバーや人事・総務、地方の工場など含めて一緒に仕事をすることになります。普段なかなかコミュニケーションしないメンバーとどうやって一丸になるのか、一つに向かっていくための“調整・言語のすり合わせ”が重要でした。

オフライン実施の意見も出た中で、オンライン実施を決定した理由はどのようなものでしょうか

オンライン自体4年目と言うこともあり、オンラインの良さと言うのは肌感として持っていました。
その一つが全社員を集められるという部分です。
レノボの場合は国内外含めて社員が各地にいるため、物理的なハードルがあります。人数のキャパや会場に来てもらうための交通費をどうするのかという、オフラインでの決め事や・制限がないことが一番の決め手でした。

コロナで普段会えなかった分対面で会話をしてほしいという部分もあったのですが、逆にコロナだからこそ
“一人でも多く参加してもらう”“会社の戦略を聞いて賛同してもらう”“意見が言える”という点にプライオリティを置いた結果、やはりオンライン実施が良いと判断しました。

もう一つ理由として挙げられるのが、3年間オンラインで開催した結果毎年社員の満足度がオフラインよりも高かったと言う点です。
オフラインの場合直接会えると言う利点はあるのですが、(発表を)一方的に聞かないといけない、業務を止めてから行かないといけないと言う(社員側の)ハードルがありました。
反面、オンラインであれば気軽に参加できる・オフラインよりもエンターテイメントである、チャット参加・投票等のインタラクションがあるなど、オフラインでは無い楽しさがあることも理由かと思います。

DSC00147

ーオンライン4年目であるということやオフラインとの比較もあり、今年は高い目標を求められたのではないかと思います。具体的な目標・KPIをお聞かせいただけますでしょうか。

毎年同様の内容でアンケートを実施しており、社員の満足度やコンテンツの理解度を測っています。

経営者が伝える“戦略”というのは、聞く社員の立場によっては難しい場合もあります。
2,000人以上の社員がいる会社で、全員に難しいものをどれだけ分かりやすく伝えるか・伝わるかという部分は大事なポイントです。

全体の満足度・理解度、いかに一体感を感じてもらうか、この3つが重要な指標でした。

2、インタラクションを生む仕掛けと“伝える”ための工夫


ーKPI達成のためにさまざまなコンテンツを実施されたと思うのですが、イベント内でのプログラムやセッションで特に印象に残っているもの・良かったものはありますか。

全て魂を込めて実施したので、全部ではあります(笑)

実はバーチャル空間でのイベント自体は2年目から実施していました。
1年目は初めてのオンライン開催でzoom形式での実施。2年目からバーチャル空間を取り入れ、3年目もカスタマイズしたバーチャル空間で実施。今回、それらをさらに超えるオンラインとは何だろうというところで、御社(ALPHABOAT)のXRを選んだ背景があります。

その中で、まず全体の演出・クオリティーをどれだけ上げられるかというのがとても考慮したところです。
XRならではの表現は何ができるかというところで、戦略発表のパートではXR空間上にグラフやガジェットを出す演出を行いました。
前段のKPIにも繋がるのですが、社員にどのように分かりやすく伝えられるかという部分が今回かなり力を入れたところです。

もう一つはインタラクションです。
今までもスコアとして高かった部分なので、今回いかにインタラクションしてもらうか検討しラヴィッコ(公式キャラクター)スタンプを用意しました。

レノボ_事例1ラヴィッコスタンプの紹介

そのスタンプがなんと10万回押されていまして。2時間のセッションで2,000名の社員から10万回スタンプが押されたというのはすごいことです。
盛り上がりとしては満足のいくものだったと思います。

投票や社員からの質問にリアルタイムで役員が答えるパートも、実は新しい試みでした。経営者への質問というのは、どのような質問が来るのか・答えられるのか、という点にヒヤッとすることもあります。
しかし、実際すごく率直な質問が来ていましたし、それに経営者が真摯に答えるというのは、(経営者の)姿勢として社員にとってポジティブに見えたのではないかと思います。

ー御社の規模ですと質問する社員側の気持ちのハードルも高そうですね。先ほどお話しいただいたように、スタンプなどの活用で盛り上がりを醸成できていたことや、オンライン実施の利点を活かし複数の拠点と映像を繋いで実施したという点も率直な質問が来たことにつながるのかなと思いました。

そうですね。
1つだけ補足すると、オンラインで繋いでいた拠点から「椅子が固かった」というフィードバックがありました(笑)
2時間固い椅子に座るのは大変だったというコメントで、それもそうだなと。

こうやって、実施してみて初めて気がつくこともあるので、また次の改善にも繋げられるというところも踏まえて概ね良かったと思いました。

記事差し込み用左:質疑応答パートの様子 右:各拠点との中継の様子

3、社員からのフィードバックと今後へ繋がる改善点


ー他にも今回のイベントに対して社員の皆さんからのフィードバックはありましたか?

少し背景からお話しさせていただきたいのですが、実は今回、現社長の檜山が昨年10月に就任してから初めての全社員へ向けた戦略発表でした。
そのため注意していたのが、“社長をどのようにみんなに知ってもらうか”“知ってもらった上で、一緒に頑張っていく意欲を持ってもらえるか”というのがポイントでした。

今回ALPHABOATさんとも事前に、社長をどう紹介するか・演出するか・話してもらうかなど、「見せ方」をかなりすり合わせて実施しています。それに対して「社長が良かった」「説明もわかりやすかった」「新しい風を持ってきそう」等のポジティブな意見がでていたことが良かったですね。
それは檜山本人の持っている力でもあるのですが、その魅力をきちんと表現できたコンテンツ・演出だったという実感がありました。

他、定性的なコメントでは、「とてもわかりやすかった」「今までで一番理解しやすかった」「レノボの一員であることを改めて誇りに思う」等のモチベーションアップにつながるような言葉もたくさんありました。

また今回は、各拠点との中継や「ハートフルアワード」という、陰でビジネスを支えている方々にスポットライトを当てる独自のアワードを実施しています。こういった企画にもとても良かったとポジティブな意見をいただきました。

レノボ_事例16ハートフルアワード概要

「本当に今までのキックオフの中でも最高の内容だった」「テレビ番組以上のクオリティです」といったコメントも貰っています。
デジタルでの表現や演出というのは、ある意味テクノロジーを体験できるものでもあるので、私たちテクノロジーカンパニーとしてその点もシンクロしていたのが良かった点です。

ー定量的な結果はいかがでしたか?

終了後に、満足度・理解度を測るアンケートを実施したのですが、すべての質問に対して90%以上のスコアを示していました。
2,000人もいる会社で満足度、理解度、そして「One Lenovo」という一丸となるスコアが90%以上というのはかなり高いのではないかと思います。その点は、主催した私たちとしても非常に嬉しい結果でした。

今回目的は達成できましたし、来年のキックオフのハードルを上げてしまったなという部分があります。(笑)

一番良かっと思うのは、社員みんなにとてもポジティブに思ってもらえたこと、このキックオフをきっかけに今年もみんな頑張ろうと思えたことです。
スコアがそれを表しているのですが、コメントでも具体的に表れていたのが良かったと思います。

ーここまでポジティブな面や良かった点をお伺いしましたが、あえて、教訓になった点などあればお聞かせください。

進行の部分で、もう少しお互いを理解した上で具体的に伝えなきゃいけなかった部分や、分かり易く伝えないといけない部分があったと思います。
こういったイベントの準備ではよく“クライアントと業者”というような立ち位置になりがちですが、今回のキックオフをどうやったら成功させられるかという観点で、会社は違えどもパートナーとして同じ土俵に立って造れたというのが今回とても嬉しかったところです。
反面、どうしても表裏一体があり、同じパートナーだと思ってしまうと「知っているはず」「わかっているはず」という温度感で話してしまうこともあります。そうすると話がずれてしまうこともあるので、やはり外部のパートナーとして、しっかりと120%の情報を提示した上で温度感を上げていく必要がありました。

これは今回のキックオフイベントに限らず、全ての外部パートナーとのやりとりで意識していかなければいけないと思います。

またイベント準備に関しては、やはり時間がたくさんあった方が良いですし、情報整理やまとめがギリギリにならないように注意しないといけないということは分かりつつも、今回も結構ギリギリになってしまった部分があります。
社内メンバーも、年に一回のイベントということもあり過去のイベントを思い出すところから始まっての進行のため、社内の調整に時間がかかったり、多くの要望を言ってしまったり。

ただ、そんな我々の我儘に対しても、すべて真摯に受け止めていただいていて、依頼に対して一回で素晴らしい制作クオリティを出していただいたことにとても驚きました。出し戻しがとても少なくて。
今回良い結果が得られたのも、ALPHABOATさんの制作クオリティ・メンバーの意識の高さ・ポジティブといった点が、本当に大きな要因となっているのではないかと思います。

オープニングアタック映像

4、高まるオフライン開催の要望と“あたり前の選択”


ーそれでは最後に今後のイベントの展望についてお聞かせください。

オンライン開催は成功したのですが、オフラインへの希望も絶えず出ています。
やはりオフラインならではの良さもあるため、今後どうやってオフラインとオンラインを融合するのかを考えていかなければいけません。

オフラインとオンラインを両方実施しようとすると、当たり前ですがコストが上がります。
今回はコストにも配慮しオンラインを選択しましたが、実は、2つを融合することでコストは倍になるかもしれないけど倍以上の結果やリターンがあるかもしれません。
そうしたチャレンジや、予算の中で出来るオフラインとオンラインの融合は是非検討していきたいです。

来年は確実に、オフラインの要望が今年以上に出てくると思います。

オフラインとオンラインを融合させた時に難しいのが、どちらも満足させることです。
オフラインはキャパがあるため、仮に会場に500人いたとしたら、内容はどうしても500人に向けたコンテンツなってしまい、残りの1500人がただ見ているだけになってしまう。
では逆に、オンライン用の作りに意識を向けてしまうと、実際のオフライン会場はグリーンバック(背景変更や演出を行うためのセッティング)で話すだけになり、500人がこれはなんだという話になってしまう。
こういった話は私たちだけではなく、需要として当たり前になってきているのではないかと思います。

正解を探すのは難しいですが、今回のようにオンラインで必要なことをやり、オフラインでさらに二段階のフォローを行うというのも一つの答えなのかもしれませんね。

弊社は、社としてハイブリッドワークを昔から取り入れていました。
キックオフイベントも同様に、オフラインかオンラインかではなく“どちらもできるようにしないといけない” “どちらも当たり前の選択にしないといけない”という議論を社内で行っております。
それを今後のイベントでは形にしていきたいなと思います。

DSC00106

ー ご協力ありがとうございました ー

ALPHABOATオンライン相談会

社内外イベント企画・運営、PR・ブランディング施策、SNS運用などお困りごとをお気軽にご相談ください。